Progressive House系の曲を聴いていて、頻繁に出てくるPluck(プラック)と呼ばれるサウンド。
Pluckには、「(弦楽器を)かき鳴らす」という意味があるように、「パチン」と弾くようなアタック音と減衰、そして少し長めのリリース音と音色の変化が特徴です。曲中の役割としては、コード楽器やリード(フィルターを開いた状態)に使っている場合が多い印象です。
このPluckなんですが、結構簡単に作れてしまいます。なので、一度覚えてしまえば、あとは自分流にアレンジして色々なサウンドが楽しめます。あと、「一からシンセで音を作るのは苦手」なんて人にもおすすめです。
ちなみに、今回使ったシンセは、”Lennar Digital Sylenth 1”です。
シンプルなインターフェースで操作性が良く、音も優秀なので愛用している方も多いと思います。シンセ初心者の方が学ぶ際にも、おすすめです。
今回は8分音符でコードを刻むPluckサウンドを作ります。ちなみに4つ打ちのキックと合わせるため、完成した状態のPluckシンセには、サイドチェインがかかっているので、アタック感は薄くなっています。
それでは、はじめましょう。
それでは、はじめましょう。
まずは、完成した状態の音を聴いてください。
MIDI
STEP1
まず、Sylenth1のMENUから”Init Preset”を選び、プリセットを初期化します。
そして、同時発音数と音量を次のように変更します。
・Polyphony=16
・MIX A=6.61、MAIN VOLUME=2.92
そうすると、初期状態の音でこのように鳴ると思います。
STEP2
OSC A1のオシレーター波形から"Saw"を選び、ボイス数を4にしてDETUNEさせ、RETRIG(リトリガー)をOFFにし、新しいノートが発音されるたびに波形が最初から発音されないようにします。
また、よりDETUNEされた音にするため、OSC A2は同じ”Saw”にし、DETUNEをA1から少しずらした値にします。
そして、アンプエンベロープでPluckらしい音の減衰を作ります。
・OSCILATOR A1:WAVE=SAW , VOICES=4 , DETUNE=3.99 , RETRIG=OFF
・OSCILATOR A2:WAVE=SAW , VOICES=4 , DETUNE=3.81 , RETRIG=OFF
・AMP ENV A:A(ttack)=0.10 , D(ecay)=2.95 , S(ustain)=7.90 , R(elease)=3.10
すると、先ほどより柔らかく広がりのある音になります。
STEP3
次に、Pluck特有のアタック音と音色変化を出すために、フィルターを設定します。
今回は、フィルターが開いた状態から閉じてまた開くというように音色を変化させます。
Sylenth1での音作りは、これで完成です。次はエフェクトで音をよりブラッシュアップさせます。
・FILTER A:FILTER TYPE=Lowpass , CUTOFF=49.64Hz , RESONANCE=0.76 , DRIVE=0.64
・FILTER CONTROL:CUTOFF=445.89Hz , KEYTRACK=3.92
・MOD ENV1
Destination=Cutoff A , Amount=-4.24
A(ttack)=3.92 , D(ecay)=3.51 , S(ustain)=0.55 , R(elease)=5.57
アタック音と音色変化で、かなり良い感じの音になってきました。
STEP4
まずは、EQで不要な35Hz以下の低域をカットし、300Hz付近を下げて厚みを少し削ります。そして、明瞭さを出すために3.5khz以上を少し上げます。
(1) EQ1(FabFilter Pro-Q 2)
Band1 Type=Lowcut(12dB/oct), Freq=35.8kHz, Q=1.0
Band2 Type=Bell, Freq=314kHz, Gain=-2dB, Q=1.8
Band3 Type=High Shelf(12dB/oct), Freq=3.5kHz, Gain=1.5dB, Q=1.0
前段の”WAVES Renaissance Compressor”のOptical(光学)モードで音量を揃え、後段の”WAVES C1 Compressor”でアタック感を抑えます。
(2) Comp1(WAVES Renaissance Compressor)
Mode=Opto , Smooth
Ratio=3 : 1 , Attack=5.02 ms , Release=64.9 ms
Gain Reduction=-3~4dB
(3) Comp2(WAVES C1 Compressor)
Ratio=6 : 1 , Attack=1.00 ms , Release=50.0 ms
Gain Reduction=-5dB
アタック感が少し抑えられ音量が揃っているのが分かると思います。
STEP5
仕上げに4つ打ちのキックと合わせるために、サイドチェインをかけ、さらにコンプで変化した音色を補正するためにEQをかけて完成です。
(4) Side-chain(Nicky Romero Kickstart)
(5) EQ2(Cubase Channel EQ)
完成!!!(Side-chain→Side-chain + Drums)
すげーマジ助かりました!!ありがとうございました!!
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